事業のご案内
国際交流促進事業

北欧(スウェーデン・フィンランド)交流事業の実施について

事業報告(2012年度)

Ⅰ.交流事業の趣旨・目的

〈ハイエックのアイデンティティ:北方圏諸国との交流〉
 ハイエックは、今から34年前の1978年に北海道庁が中心となって設立された日本で最も古い国際交流団体のひとつであり、当初は、「北方圏構想」の推進母体としての役割を担っていたことから、「社団法人北方圏センター」という名称で、北欧、カナダ、アメリカ北東部、中国東北部、ロシア極東地域など、いわゆる北方圏諸国と  の交流に、30年を越える歴史と蓄積を有する団体である。
 こうしたことから、北海道及びハイエックの国際交流活動の源流は北欧諸国をはじめとする北方圏諸国との交流にこそあり、そこにハイエックの特別のアイデンティティがあると言える。
 また、北海道には、北海道フィンランド協会、北海道スエーデン協会、スエーデン交流センターなど、北欧との交流活動を続けている国際交流団体が3つも存在し、関係の皆様のご努力により、熱心な活動が行われてきた。
 この長年にわたり築いてきた北欧諸国との交流の実績、伝統は将来にわたり引き継いでいく必要があり、「HIECC:当面の事業運営について(平成23年9月29日理事会承認事項)」においても、ハイエックは「北方圏センターを前身とする国際交流団体として、北方圏諸国・諸地域との関係を今後とも持続的に発展させることが重要」との方向性が示されるに至った。

〈北欧交流事業の訪問対象〉 
 本道における国際化施策の推進は、北海道庁は、「民間部門では実施できない国際化施策」を、また、ハイエックは、本道の国際交流の中核組織(地域国際化協会)として、「民間団体、住民等との連絡調整及び事業」を実施するとされている。
 一方、スエーデン・フィンランド両地域においては「海外北海道人会」など、本道との民間交流の拠点として期待されるべき身近な友好団体の設立を見るには至っておらず、道人会等を活用した情報収集の強化、さらには、大学・研究機関との協働による効果的な交流の推進などが課題となっている。
 こうした状況を踏まえながら、「幅広く、将来にわたる持続的な交流促進」をコンセプトとして、日本大使館、大学・高校等教育機関、国際教育・訓練機構、更には日本人協会などを対象に交流事業を展開した。

〈外国人留学生は出身国と北海道の架け橋〉 
 また、北海道庁では、「ほっかいどう未来創造プラン」において、「外国人留学生の増加に努める」こととし、「北海道国際化指針」においても、「外国人留学生は出身国と北海道の架け橋となること」や「北海道の国際化に大きな役割を果たすことが期待される」ことから、文部科学省の「留学生30万人計画」に併せて、「外国人留学生受入促進」の取り組みを進めており、ハイエックもまた、こうした道の国際化施  策の一部を担う公的機関として、道庁と軌を一にした事業展開を行っているが、道内の外国人留学生総数は約2,700人ほどにとどまり、そのうち90%はアジア出身という現状にある。

〈優れた教育環境に恵まれた北の大地:北海道〉 
 北海道には、幸いにも2010年のノーベル化学賞受賞者である“鈴木章 博士”を排出した北海道大学をはじめ教育レベル、教育環境において優れている大学が多数存在し、大学の数は47都道府県中、東京都に次いで第2位(12)、国公立・私立大学を合わせた総数でも47都道府県中第5位である。
 このため、こうした優位性を最大限に活用しながら、今後、アジア地域のみならず、欧米諸国、特に30年以上にわたる交流実績のある北欧地域からの留学生を増やす取組みがHIECCには求められている。
 こうした背景の下、今回の交流事業においては、既述の理由により持続的な交流が期待できる大学や高等学校などの教育関係機関を対象に、留学生の受け入れ促進を図るための交流事業を実施したものである。


Ⅱ.スウェーデンでの訪問活動

【スウェーデン王国について】
 スウェーデンは、その東西をノルウェーとフィンランドに国境を接し、南側の海峡を挟んでデンマークと向き合う北ヨーロッパ最大の国。面積は日本よりやや広く45万㎢。人口は942万人、首都はストックホルムで公用語はスウェーデン語である。
 基幹産業は、自動車、機械、金属、製材、製紙など。グローバル化の中で強い経済を維持し、高い社会福祉を実現しているスウェーデンには、国内外の注目が集まっている。
 当センターとの交流の歴史を顧みると、1973年2月の北欧文化視察団派遣を皮切りに様々な交流を実施してきた。2006年には「HOKKAIDO STYLE 2006」において、北海道の芸術家の作品展示を中心とした文化交流をリンショーピン市で開催したが、単発で終わらない持続的な交流を可能にする取組みが要請されている。

【ストックホルム市】
 スウェーデンの首都。人口は約86万人であるが、都市圏を含めると200万人を超え、スウェーデンの人口全体の5分の1以上がこの地域に集中している。市中心部から北に45㎞に国際線が離発着するストックホルム・アーランダ国際空港がある。
 基幹産業は、ITを中心とするハイテク産業。

〈駐スウェーデン日本大使館〉
≪面談者≫ 渡邊 芳樹 特命全権大使(同席)蹴揚 一等書記官
≪面談概要≫
 スウェーデンへの訪問趣旨を伝えるとともに、HIECCの活動について更なる支援・協力をお願いした。大使からスウェーデンと日本の大学との交流状況について、東大、東北大学などが主体で、残念ながら北海道の大学と姉妹提携などの下に交流している話は聞いたことがないので、HIECCの取組みに期待しているとのお話があった。 〈国際教育訓練機構〉
≪面談者≫ ウルフ・ヘドビョーク機構次長、ヘレン・セール・マットソン同国際部長
≪面談概要≫
 当該機構は、スウェーデン政府が主に出資し、スウェーデン国内の大学生の海外への留学や全国の民間国際交流団体の活動・プロジェクトを財政的にサポートする公的機関である。
 スウェーデンにおいては、総じて言えば、EU諸国との交流に第一義的な関心があり、アジア地域との交流はこれからという段階にあるが、日本への理解度・関心度は高いということである。
 当センターとの連携について、具体的な意見交換を行うなど、当該機構との繋がりができたことは大きな収穫であった。

〈スウェーデン高等職業教育機構〉
≪面談者≫ ウラカリン・サンクヴィスト・ニルソン上級行政官
≪面談概要≫
 ウラカリン氏は、現職前はスウェーデン東地区で国際交流コーディネーターをされており、2006年にリンショーピン市で開催した「Hokkaido Style 2006」に参加され、その際に当センターにスウェーデンの専門高等学校の生徒を北海道でインターンシップとして受入れる交流(スウェーデン学校交流)を提案し、その実現に尽力された方である。上記学校交流を今後とも継続していくに当たってのキーパーソン。
 ウラカリン氏には、現在の学校交流の状況報告とともに、今後の一層の交流促進について協力をお願いした。

【ノルショーピン市】
 ノルショーピン市は、ストックホルムから南西に130㎞に位置し、人口は約8万7千人。スウェーデンの中では、10番目の人口規模の都市で、製紙工業及びテキスタイルが基幹産業の都市。
 ノルショーピン市には、当センターの交流相手方である高等専門学校2校が存在する。

〈ナチュールブルクス高等専門学校〉
≪面談者≫ ローランド・ニルソン理事長、マリン・フランゼン校長(生徒指導担当)、ジュリア・ゼッターストランド校長(職員管理担当)、バーティル・トールヴィン国際交流担当教諭
≪面談概要≫
 数年前より実施している「スウェーデン学校交流事業」の相手方である、同校のニルソン理事長らから大歓迎を受け、今後の交流継続についても快諾を得た。
これまで、同校から5名の生徒を、造園技術、動物飼育などのインターンシップとして受けれた。今回の訪問時にそのうちの3名と面談することもできた。


〈グングスガード高等専門学校〉
≪面談者≫ アンダース・パームグレン校長、ヨハン・リフバーグレン教諭、アンナレナ教諭
≪面談概要≫
 クングスガード高等専門学校は、次年度には上記のナチュールブルクス高等専門学校との統合が決定している。同校からは、2名の生徒を、札幌市内の花卉専門店でインターンシップを実施するため受け入れたことがある。

【レクサンド市】
 レクサンド市は、ストックホルムから230㎞北西に位置し、列車で約3時間半。人口は約1万5千人。基幹産業は林業で住宅用の材木を生産し、スウェーデンハウスの建築資材を輸出している。
 レクサンド市と当別町が姉妹提携25周年を迎えたことから、訪問の合間を縫い、泉亭当別町長や関係者とともに記念式典行催事に参加した。

〈当別町・レクサンド市姉妹都市提携25周年記念事業〉
≪面談者≫ウルリカ・リリエベリ(レクサンド市長)、ラッセ・ニィゴード(レクサンド市議会議長)、ペーテル・ヨーン(レクサンド市商工会議所会頭)、コマキ・ユウ(ストックホルム日本人協会会長)
(当別町関係者)泉亭当別町長、高谷当別町議会議長ほか関係者
≪参加概要≫
 9月7日 ~ 茶会、ワールドカフェ、展示会、歓迎夕食会、
       アイスホッケー観覧
 9月8日 ~ 桜記念植樹、キモノフュージョン、歓迎昼食会、
       記念式典ほか


Ⅲ.フィンランドでの訪問活動

【フィンランド共和国について】
 フィンランドは、スカンジナビア半島の内側でバルト海の一番奥に位置し、東側にロシア、西にスウェーデン、北にノルウェーと国境を接する。
 人口や国全体のGDPはほぼ北海道と同規模。1980年代以降、農業と林業中心の経済体制から、ノキアなどハイテク産業を基幹とする工業先進国へと変貌を遂げた。強い経済の実現は、高い教育水準の維持が原動力となっている。
 スウェーデンと同様、交流の歴史は古く、かつては当センターが中心になって幾度かの派遣団を送り出した経緯がある。

【ロヴァニエミ市】
ロヴァニエミ市は、北極圏の南8kmのところに位置し、人口約6万人。ナチス・ドイツ軍の攻撃により街の大半は破壊されたが、戦後、優れた都市計画の基で再興された美しく、またサンタクロースの故郷としても世界的に著名な都市。

〈ラップランド大学〉
≪面談者≫ユッカ・メケレ副学長、サトゥ・ミエチネン教授、ヴィレ・ヤックラ言語センター所長、アヌーカ・ヤッコラ言語センター・スタッフ、パイヴィ・マーチン国際交流センター・スタッフ 
≪面談概要≫
 9月8日(日)にラップランド大学主催の夕食会の席上、メケレ副学長等に面談し、訪問趣旨を伝えるとともに、これからの連携のあり方及び留学生の相互派遣の一層の促進について意見交換及び要請をを行った。
 また更に翌日には、同大サトゥ教授と国際交流センタースタッフに面談し、北海道の留学生の受入状況などについて話をし、同大学から北海道への留学生の送り出しについて具体的な要請を 【サトゥ教授らとの意見交換】
行った。
 なお、ラップランド大学は札幌大学と留学協定を締結している。
 
〈ラプセット(玩具メーカー)〉
≪面談者≫ユハ・ラーコネンCEO、イルマ・クーカスヤルヴィ(コミュニケーション部長)
≪面談概要≫
 公園などに設置される屋外遊具機メーカーとして世界的に有名な企業「ラプセット」を訪問し、ラーコネンCEOから、企業のコンセプト、社員の創造力育成について説明を受けた後、工場の現場をつぶさに視察(工場内撮影禁止)。休憩時間には、社員の皆さんとコーヒーを共にした。同社は、ラップランド大学の最も有力な支援企業であることから、北欧交流事業の趣旨を伝達し、今後のバックアップをお願いしたものであるが、同社の経営を知ることでフィンランドの強い経済の一端を垣間見ることができた。

【オウル市】
 オウル市は、フィンランドの中部に位置し、ハイテク産業が盛んな人口約14万人の都市。また情報通信における産業クラスターが世界的に有名でもあることから、日本国内からの視察団を多数受入れてきた実績がある。

〈オウル市〉
≪面談者≫カレヴォ・ウッコラ オウル市教育長、(オウル市長不在のため、代わりに表敬訪問を受けていただいた)、アン・ラナリコントゥリ国際部長
≪面談概要≫
 訪問趣旨などをお話をしたところ、ウッコラ教育長の甥・姪御さんも北大への交換留学生として札幌に滞在していたことがあるとのこともあって、大いに意気投合し、留学生派遣に係る協力について快諾を得た。ウッコラ教育長自ら市庁舎を案内された他、会議室では、HIECC歓迎の画像が映し出されるなど終始和やかな懇談が1時間以上に及んだ。

〈オウル総合科学大学〉
≪面談者≫イルキ・ライチネン学長、サカリ・カウピネン開発調査学科教授、ティナ・オヴァスカ国際交流コーディネーター他職員3名
 北海道工業大学からの交換留学生(2名)
 ≪面談概要≫
 ライチネン学長をはじめ、多数の大学関係者及び北海道工業大学交換留学生などが迎えてくれ、訪問趣旨及び要請を傾聴して頂くとともに理解を示してしていただいた。留学生に対するHIECCのサポート体制、大学の研究プロジェクトへの協力先を北海道で探すことへのサポートについて質問が出るなど、活発な意見交換、情報交換が行われた。
 なお、オウル総合科学大学とは北海道工業大学、北見工業大学が姉妹提携をしている。

〈ビジネスオウル(オウル市)〉
≪面談者≫オッリ・ロイチノヤ上顧客部長、セッポ・メキ元オウル市ビジネス部長、内田タカコ氏(コーディネーター)、 ケラネン・陽子氏
≪面談概要≫
 ビジネスオウルは、オウル市役所の経済部のような役割を担っている市の外郭団体であるが、産業クラスター構想を通じて、北海道の経済人との親交も深い。
 ビジネスオウルへの訪問趣旨は、基より経済交流ではないものの、今回の大学訪問にも深い理解を示され、率先して関係機関への調整を図ってくれた。
 お礼のため訪問したところ、大歓迎を受け、ビジネスオウル主催のランチミーティングの席上では、訪問趣旨などを説明、側面からのサポートを要請することもできた。
 かつて北海道からの経済視察団の窓口として活躍されたセッポ・メキ氏(元ビジネスオウル部長)とも交流を深めることができた。

〈オウル大学〉
≪面談者≫キモ・クオルティ国際部長、エヴァ・マリア・ラウダソーヤ学務部長
≪面談概要≫
 北海道大学とオウル大学は姉妹提携をしていることから、毎年相互に数名の交換留学生を派遣しているところであるが、今後とも交換留学が一層促進されるよう要請するとともに、当センターのサポート体制について具体的な説明を行った。

【ヘルシンキ市】
 フィンランド共和国の首都。人口は約59万人であるが、エスポー、ヴァンターなどの衛星都市を含めると約100万人。1952年日本にとって戦後初参加のオリンピック開催地であり、ヘルシンキ大学やアールト大学ながど有名。

〈駐フィンランド日本大使館〉
≪面談者≫岩藤 俊幸 公使、(丸山大使不在のため代わって表敬訪問をお受けしていただいた)、三原一等書記官、小川三等書記官、児玉専門調査員(上記3名に具体的な説明を実施)
≪面談概要≫
 今回のフィンランドへの訪問趣旨を伝えるとともに、今後のフィンランドと北海道との交流についての支援・協力を要請した。

〈北大ヘルシンキ事務所〉
≪面談者≫テロ・サロマ副所長、(同事務所所長である田畑北大教授は、オウル市への出張中のため、当日は面談できなかったが、事前に訪問趣旨について伝達済み)、イトウ・サナエ職員
≪面談概要≫
 2012年6月に開設された北大ヘルシンキ事務所初代副所長で、かつて北海道大学への留学経験があり、日本人女性と結婚されて
いるテロ・サロマ氏と面談し、訪問趣旨を説明するとともに、ヘルシンキ大学などから留学生の派遣の実現について協力を要請。
 当センターとの連携についても、要請し快諾を得た。

〈フィンランド日本人協会〉
≪面談者≫ オッリ・ユヴォネン会長
≪面談概要≫
 駐日フィンランド大使館商務官として通算10年の日本滞在歴があり、当センターにも数度訪問されているユヴォネン会長と面談。訪問趣旨を十分にお伝えし、協力への理解を得るとともに日本人協会の活動内容についてもお伺いをした。
 今後の交流について、連携・協力を図ることで合意した。

〈ヘルシンキ大学〉
≪面談者≫ウラマイヤ・フォルスバーグ第1副学長(ヘルシンキ大№2)、マーカス・ライチネン国際部長
≪面談概要≫
 1640年創立のフィンランドにおける最大かつ最古の大学。前述のとおり北海道大学のサテライト事務所を同大学内に開設されるなど、北海道との繋がりが一層深まりつつあることから、北海道の優れた教育環境についてのプレゼンとともに留学生派遣について強く要請を行った。
 フォルスバーグ第1副学長はご多忙中にも拘わらず、副学長室において1時間半にもわたり面談をして頂いた。

〈ヘルシンキ市〉
≪面談者≫ タピオ・カリ ヘルシンキ市広報部長、イーロ・ヴァロネン 同市コミュニケーション担当主任
≪面談概要≫
 今回の訪問趣旨を伝え、相互の大学生の留学事情などについて情報交換を行うとともに、今後のサポートを要請し、快諾を得た。

〈フィンランドと北海道との交流にご尽力されている方たち〉
(右から) フレデリック・フォルスバーグ氏(元ヘルシンキ市教育省の幹部で、今回の訪問にあたり、関係機関との調整や案内などに大変ご尽力をいただいた)、オッリ・ユヴォネン氏夫人、ユハニ・リルバーグ氏夫人、ユハニ・リルバーグ氏(元ラップランド大学事務総長。北海道との交流に大変造詣が深く、現在も毎年北海道を訪問されている)、テロ・サロマ氏夫人、オッリ・ユヴォネン氏(フィンランド日本人協会会長)、テロ・サロマ氏(北大ヘルシンキ事務所副所長)、 髙橋 了 HIECC副会長兼専務理事、小田島 道朗 HIECC同行職員


Ⅳ.訪問交流事業を終えて(成果)

〈北海道の国際化推進の確固たる礎に〉
 ハイエックでは、これまでも、外国人留学生受入促進のため、外国人私費留学生へ  の修学支援や、留学生と道内各地域との交流による日本文化体験など、様々な事業を  推進してきているが、今回の交流訪問事業においては、スウェーデン及びフィンラン  ドの主要大学・教育機関をはじめとする関係機関やHIECCと従来繋がりのあった  方たちとの結びつきが、これまで以上に強まり、加えて、在スウェーデン日本国大使  館においては渡邉芳樹特命全権大使閣下、在フィンランド日本国大使館においては岩  藤俊幸公使との面談も実現するなど、今後の留学生受け入れ促進へ向けての環境整備  へ弾みがつく結果となった。
 また、新たに、ストックホルム日本人協会コマキ会長、フィンランド日本人協会オ  ッリ会長との知遇を得る事もでき、「海外北海道人会」がない両国との交流のさらな  る持続的発展のため、ひいては、留学生招致への新たな足掛かりとして、強力なバッ  クアップ体制が構築されることとなった。
 こうした「絆」を将来にわたり引き継いでいくとともに、北欧地域からの留学生受  け入れ促進に取り組み、北海道との交流活動の継続的な活性化をめざし、今後とも、  道の国際化施策とも十分な連携を図りながら、北海道の国際化の推進の確固たる礎と  するため努力して参りたい。
 特に、道内各大学と北欧諸国各大学との姉妹・友好提携の促進に向け、双方の大学  に働きかけを行うなど、(交換)留学生を増やすための基礎的環境づくりに寄与して  参りたいと考えている。また、フィンランド・ロヴァニエミ市にあるアルクティウム  (博物館等の複合施設)の視察を通して、北海道の先住民族であるアイヌの方々と北  欧の先住民族であるサーミ族の方々などとの交流促進を一層図ることが、北欧との持  続的交流を発展拡大させる大きな原動力となるとの認識を得たところである。こうい
う意味で、今後、(財)アイヌ文化振興研究機構や(公財)札幌国際プラザ、関係NPO
法人との連携を一層強めていく所存である。 最後に、今回の訪問交流事業の実施にあたり、現地関係機関との折衝や連絡調整な  ど、言葉には表せない多くのご支援を賜った、北海道フィンランド協会の井口光雄会  長に心から感謝を申し上げ、「スウェーデン・フィンランド訪問交流事業」の報告と  したい。

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