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国際相互理解促進事業報告

 ◆【1】北方圏交流新時代―新千歳‐ヘルシンキ線就航に向けて  

 調査研究部 森内 壮夫

 

 今年12月からフィンエアーがフィンランド・ヴァンター空港と北海道・新千歳空港を結ぶ冬期間限定の定期便を就航させることになった。北海道とヨーロッパを繋ぐ空路が17年ぶりに復活することになる。

 

 冬期間にパウダースノーを目指してやってくる欧州のスキーヤーの来道にフィンエアーが商機を見込んでの就航とのことだが、同時に北海道民にとっても、久々にヨーロッパへのアクセスが格段に向上することになる。インバウンド-アウトバウンドの交流人口の増加のみならず、日EU経済連携協定(EPA)が発効され、物流やビジネスの利用に対しても期待がかかる。利用客が安定的に見込める場合、通年就航の可能性もあると噂されている。逆にバランスシートのマイナスが続けば早期撤退もあり得るであろう。

 

 筆者が所属する公益社団法人 北海道国際交流・協力総合センター(HIECC)にとってもこの定期便が就航することの意味は大きい。HIECCの前身である北方圏センターの設立理念である「北方圏構想」の交流の主要な相手が北欧だったからだ。北欧への直行便開通は、すでに成熟期に突入している北方圏構想を再び推進させる契機となる可能性を意味している。

 

「北海道は地理的にも北方圏の要衝にあり、北方圏諸国との交流拠点として、重要な役割を担うことが期待される」と謳う北方圏構想であるが、これまで人的・地域同士・民間の相互的な友好交流は大きな実績を上げてきているところ、直行便の就航は経済交流を広げる可能性を秘めている。そういう意味からも、この就航は北方圏構想を再訪し、振り返り、ヒントを探り、今後の北海道が地域として活性化されてゆくためのビジョンを改めて考えてみる、絶好のチャンスといえるであろう。

 

 就航に先立ち、フィンランドへ調査に行く機会に恵まれた。滞在中、調査取材の一部をハイエックのホームページで紹介したい。

 

筆者が乗った成田発のフィンエアー6801便

 


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