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概要

  世界ではグローバル化が益々進み、世界中の人々の動きが国境を越え様々なところで活発になってきています。それに伴い、モノや情報の動きも活発になってきており、それらがもたらす人々の価値観や生活は実に多様化しています。北海道も例外なく、旅行で訪れる外国人、または生活をしている外国人の数が年々増加する傾向にあり、地域に住む人々や環境も多様化してきています。

  外国人が日本に住むにあたり、言葉の壁そのこと自体は日常生活において特に大きな障害にはなっていないようですが、滞在状況、周りの環境によっては、言葉はやはりコミュニケーションの大切な道具になることが多々あります。そうした中で、我々日本人には何ともないことでも、外国人にとってはちょっとした問題になり得る様々なケースが存在しています。

  例えば、地震などの自然災害があった時、日本では地域によって各避難場所が決められており、住民にも情報として周知されていますが、では、同じ地域に住む外国人に対してそのような情報がきちんと行届いているでしょうか。情報があっても日本語のみであるなどの理由で、万が一の時に日本語を理解しない外国人は避難することができなくなり、災害弱者となってしまう可能性があります。更に、急病や怪我を負った時はどうでしょうか。救急隊員が駆けつけ、迅速な対応が求められる時に、言葉が原因で救命活動が遅れてしまうようなことが起きないでしょうか。

  そこでハイエックは、平成20年度、北海道、千歳市消防本部、並びに自治体国際化協会の全面協力をいただきながら、「多言語対応救急救命表示板設置事業」を行いました。これは、北海道に滞在している外国人が怪我を負ったり急病になったりした時のために、言葉を選ばず、誰でも理解できるユニバーサルデザインを用いたイラスト使って、専門知識を持った救急救命士と急な疾病または怪我を負った外国人の意思疎通を図るためのコミュニケーションツールとして作製したもので、言語を介さない救急救命ツールとしては、全国初です。

  この表示板の作成にあたっては、救急救命士の意見・希望を取り入れ、また約20カ国の外国人に対する理解度検証会を実施しながら、何回ものデザインの改訂を重ね作成したものです。そして、平成20年度、希望する全道の60消防本部へ配付し、同本部が所管する救急車へ設置しました。そして平成21年度には、救急救命士との意見交換会の場で、症状判定後の「処置カード」が必要であるという意見があったことから、16種類の処置カードを作成し、20年度同様希望する道内消防本部等に配付しました。

  ハイエックでは、今後、様々な分野における多文化共生推進事業を展開し、外国人と日本人が互いを尊重しながら安心して生活や滞在ができる北海道になるよう貢献していきたいと考えております。

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